0802
岩の一部にでもなったようなつもりで岩の割れ目に半ば挟まるようにしながら寝転がってひとり、空をみた。
一昨夜は久しぶりに見る、まさに星が降る夜で、いままでに覚えた数少ない星座をさがしても到底見つけることは出来ないくらいにびっしりと星は空を埋めていた。
ずっと眺めていると今見えている星が果たして本当にあるものなのかさえわからなくなっていく。柔らかく澄んだ空気も心地よくだんだんとまるで自分も空の一部として溶けてしまったような、そんな幸せな錯覚に陥った。
そんな私は今、山にいる。
正確にいうと、山小屋で働いている。
別に山に詳しいわけでもなく、ただ山で過ごす時間が、流れる時間がとても好きで、去年もその前の年も少しだけだが小屋で働いていた。そして今年も。
下にいる時のように大好きな人たちに会いに行けないし、大好物のヨーグルトもないけれどやっぱりここで過ごす時間は私にとって豊かでとっても特別、なのである
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