独り占め
夜空を見上げていると、沢山の星の中であまりにも美しく黄金色の星がすーっと流れてこの瞬間だけは空を見てたのが私だけならいいのに、と欲張りな気持ちになってしまった。月の光で文字が読めるのにほくほくしたり、
青空の中で舞って消えていく雲に釘付けになったり、木々を揺らす風に自分の髪も靡いているのが嬉しかったり、山の道だとなんだかいつも新しくってどこまでも歩いて聞ける気がしたり。
なにより、岩の上でありったけに空気を吸って思い切り伸びをするのがとっても幸せで。
ただ私がとてつもなく幸せだと思う瞬間が誰にとっても幸せなわけではなく、それは私が私だからなのだね、ということをやっと思い出した。
前にそびえている山が大きいからと言って、見上げてばっかりいると暗くなって確かにあった道が見えなくなっちゃうのよ、ね。
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