はじめて5000mを超える
ポンブチェからクムジュン村を通りナムチェに帰って来た。
ロッジに入ると、たくさん焼けて帰って来たね、と旦那さんと奥さんが抱きしめてくれた。
泣きそうになりながら部屋に入り涙をこらえる。実は上の方へ行く前、弱ってた時に浴びた優しさが堪えてポロポロ泣いてしまったので2度目の泣いてる顔を見せたくなかったのだ。
そして9日ぶりホットシャワーを浴びる。
4回位髪の毛を洗った。
うえーっと思うが山にいると風邪を引いてしまい体調を崩す原因になるので中々お風呂に入れないのだ。もっと高い山に登るとなるとますます入れない。ウェットティッシュなんかで拭いたりしてなんとか身を清めるしかない。
強くないのにお酒をご馳走になる。
そんなこんなで帰ってきた私。
自分の人生で一番高い所を歩いた話!
15日
チュクン・リ/5,550m
ディンブチェからチュクンの村まで移動する。
昼過ぎからチュクン・リへ向けて歩き出す。
凍った川を渡り、やたらとふわふわした砂の上を歩く。もちろん緑の植物はない。作られた道は歩きにくいので道無き道を行く。
5000mを過ぎたあたりだろうか、突然に息苦しくなってきた。だんだん考えられることが減っていく。歩数と息を1、2、1、2と合わせ少しでもずれると立ち止まって息を整える。それでも息が苦しい時は手で顔をあたためつつ会いたい人なんかの顔を思い浮かべて大きく息を吸うと楽になる気がした。
たった高さ500m足らず、あと1時間がつらい。他の山に比べると丘の様にさえみえる。なのに、きつかった。
後ろに広がる山脈を見ないようにして、一歩先を見て進んだ。
本当に苦しい登りに出くわすと、あの時の登りは大したことなかったなあ、むしろ下りだったなとか考えだす。
そうしてゆっくり進んでたどり着いた頂上!
自慢にならないけれど、富士山にも登ったことない。そんな私がここに!
自分の山をひとつ乗り越えたみたいに嬉しくて思い切り両手を広げて伸びをした。
苦しいとか好きとか綺麗だとか、渦巻いていた色んな気持ちを一気に飛び越えてしまった。
そして、ひとつ。
高いところに登ると、あの山からはどんな景色が見えるんだろう?と思ってしまう。ということ。
きっとこんなものなのだろう。
ガイドのシェルパさんに言うと、5年後アマダブラム行こっか、行けるよ。と拳を突き出してくれた。すごいかっこよくて、難しい山。
さて、どうなるのでしょう。
25歳の私。
アイランドピークへの道のりからみえるローツェの南壁。(最後、三歩さんが自分のために登りたいって旅立った山はこれや!マンガだけれどね。奥にあるエベレストにかかる雲だけみえる、よ!)
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