まん丸チャンドラ
私がインドに着いた日、その日は月がまんまるい日だった。午前3時、夜というか早朝のデリーの埃っぽく霞んだ空に星は無く、その月だけが異様に光っていて、ただただ不安になりながらこれからの旅のことを思いながらバンに揺られていた。
それから何日かたったダラムサラからの帰り道、夜行バスで突然流れ出したボリウッドのテンションが上昇するにつれ私のテンションは降下していた。そんな中、なんとか気を紛らわせようとふと窓から空を見上げると空には沢山の星が見えた。ただ感動した。バスからこんな景色が見えるなんて不思議な事だとおもってしまう。地平線の方まで星がきらめいていていただただ見入っていた。星を見ていると1人だなあ、ちっぽけだなあ、とちょっと不安になって涙が出た、
月は飛行機から降りインドに足を踏み入れた夜より随分と削れ、まるでレモンのような形になっていて、あっという間に感じていた日々が確かに過ぎていっていたことを感じさせた。
そして最後の日、現地で知り合いお世話になったお兄さんたちにヘナタトゥーを描いてもらった。
左手首にはヒンドゥー教の神さま、ガネーシャが鎮座し、その上にはチャンドラが微笑んでいる。こういうと気取って聞こえるが実際に見るとかなり可愛らしくシュールな感じである。
チャンドラはお月様だ。インドで何度も見上げた空を、月を忘れないようにと刻みこんでいるようなそんな嬉しい気持ちになった。
太陽っていうのも言ってたんだけど聞き取れなくてわからなかったんだよなあ、、
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